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[ Stripe Sessions レポート ] 企業間の請求処理を簡略化する新機能「 Stripe Profile 」がアナウンスされました

[ Stripe Sessions レポート ] 企業間の請求処理を簡略化する新機能「 Stripe Profile 」がアナウンスされました
公開日: 2025/5/10 / 更新日: 2025/5/18

2025年5月に開催された Stripe の年次カンファレンス「 Stripe Sessions 」にて、企業間の請求処理をより簡単に実現できる新機能「 Stripe Profiles 」がアナウンスされました。これは Stripe 上に保存された情報を利用し、 B to B の請求に必要なさまざまな情報を Stripe ネットワークを経由して数クリックで共有できるようになる機能です。

Stripe のネットワークを利用した情報共有が B to B の世界にも

Stripeは、オンライン決済処理を簡単に導入できるサービスとして多くの企業に利用されています。個人経営の小さなオンラインショップから大企業まで、様々なビジネスがStripeを活用しています。Stripe Sessions 2025 初日のキーノートでも触れられていたように、Stripeは現在「数百万のビジネスからなるネットワーク」として「毎分5万件以上の取引」が処理されています。

このネットワークや取引データは、企業そして個人間のさまざまな取引をスムーズにすることに活用されています。例えば、ネットワーク全体のデータを活用した不正検出や、Link 機能による購入プロセスの簡素化、そしてプラットフォームビジネス向けの新規ユーザーの登録フローのシームレス化などがあります。Stripe が特徴的だったのは、このようなこのネットワークを活用した改善や自動化などが目に見えない形で提供されていたことです。しかし今回発表された Stripe Profiles はこのネットワークをより明示的な「ビジネス間(B2B)ネットワーク」として進化させることになります。

Stripe Profiles が実現すること

Stripe Profilesは、Stripe のネットワーク上に公開できる企業のアイデンティティと、そのプロフィールを活用できるネットワーク機能です。Stripe アカウントに登録しているビジネス情報を利用し、企業間取引で必要なビジネス情報の共有を Stripe のネットワーク上で実現します。

B to B 取引における、請求先情報の共有コスト

Stripe では昨年だけで、 Stripe アカウントを所有する企業間で数億回もの支払いが処理されています。しかしお互いが Stripe を使っていたとしても、請求のために必要とされる企業に関する情報の共有や入力の手間は、以前として残っていました。 Stripe Profile が正式にリリースされると、請求先住所や企業がどんなビジネスに取り組んでいるかなどの情報が、 Stripe ダッシュボードなどで簡単に共有・取得できるようになります。

これによって Stripe を利用している企業同士の請求作業が、劇的に簡略化されます。

Stripe Profiles を利用した請求書発行デモ

キーノート内では、 Stripe Profiles のデモも行われました。

請求書ページで顧客を検索すると、Stripeプロフィールを持つ企業が表示され、請求先住所やメール、電話番号などの情報が自動的に入力されます。あとは必要な項目を追加して「送信」をクリックするだけで、請求処理が完了します。請求書を受け取った側は、Stripeプロフィールに保存された支払い方法を使ってワンクリックで支払いを完了できます。Stripe Profiles を多くの企業が採用することで、企業間取引におけるさまざまな請求作業が簡略化・自動化されるといえるでしょう。

プロフィールの認定制度「 Stripe Verified 」について

Stripe Profiles のアナウンスに加えて「Stripe Verified」という新しい認証制度も紹介されました。これはStripeネットワーク上で認定されたビジネスであることを示す信頼の証です。

Stripe に登録されたビジネス情報などのプロフィール情報を検証し、認定を行います。この認定によって、初めての企業を相手とした取引においても、「 Stripe が認定している企業・ビジネスである」といういわばお墨付きを得ることができます。企業間取引において、取引に安心感を提供するだけでなく、リスク管理とコンプライアンスのサポートも行うことができるということで、特に新市場への参入や新製品立ち上げ時にその価値を発揮するでしょう。

さらに、継続的なモニタリングにより新しい規制要件を自動的にチェックし、問題を事前に通知します。コンプライアンス維持のための特別なホワイトグローブサポートも提供されるとアナウンスがありました。

Stripeのネットワーク強化の目的

Stripeが今回のアップデートで強調したのは、単なるサービス改善にとどまらない、より大きなビジョンです。キーノートの最後では「Stripeは世界で最も野心的なビジネスのネットワーク」であり、Stripe の使命は「皆さんがより多くを得られるよう手助けすること」とのコメントがありました。

この言葉には重要な意味があります。Stripe は単なる決済処理サービスプロバイダーではなく、ビジネスエコシステム全体を強化するプラットフォームへと進化しているのです。「Stripe Profiles」と「Stripe Verified」はその第一歩であり、今後さらに多くの機能が追加される可能性を示唆しています。

まとめ

Stripeはこれまでも優れた決済プラットフォームでしたが、今回の「Stripe Profiles」と「Stripe Verified」の発表により、単なる決済処理サービスから、ビジネス間の信頼と取引を促進する包括的なネットワークへと進化しています。

この新機能は一般的には今夏から提供開始予定ですが、Stripeのセッション参加者は優先的にアクセスできるとのこと。Stripeのこの進化は、特に多くのビジネスパートナーや顧客と取引を行う企業にとって、大きな時間と労力の節約につながるはずです。請求書の作成と支払いのプロセスが劇的に簡素化され、より多くの時間をビジネスの成長に集中できるようになります。


この記事はStripeのセッションキーノートの内容に基づいています。実際のサービス詳細や提供開始時期については、Stripe公式サイトでご確認ください。